資料:新潟県・泉田知事(全国知事会危機管理・防災特別委員長)と、原子力規制委・田中委員長の面談(2015/8/24)について

新潟県・泉田知事(全国知事会危機管理・防災特別委員長)と原子力規制委・田中委員長の面談(2015/8/24)について。

泉田知事から面談の申し入れは何度も行われていましたが、規制委・田中委員長がそれに
応じなかったのは、田中氏の自治体組織、予算措置、「指針」に対する認識不足が露呈する
ことを避けていたため、という一面が明らかになった会談でした。

文章(議事録の速報版)では、どうひいき目にみても、会話はかみ合っておらず、田中委員長が
答えにならない回答をしつづけて終わっています。映像で(田中氏が)やや伏し目がちにして
いる様子は、規制委のブリーフィング等で見せる独善的な態度とまったく正反対です。

会談後(8月27日)、地元での定例会見で質問に答えた泉田知事の返答によってその「一方通行」が、
実質的にどのような意味合いだったのか理解できる部分がありましたので、関連資料を紹介します。

**********

◆「本日、泉田知事が全国知事会危機管理・防災特別委員長として、原子力規制委員会の田中委員長と面談しました」(新潟県ホームページ)

 面談日 2015年8月24日  議事録(速報版)
 http://www.pref.niigata.lg.jp/genshiryoku/1356821680767.html

添付資料
・国の施策並びに予算に関する提案・要望
 http://www.pref.niigata.lg.jp/HTML_Article/786/1006/01.150824bousai.pdf
・防災・減災対策の推進について
 http://www.pref.niigata.lg.jp/HTML_Article/305/103/02.150824bousai.pdf
・問題点例示(ポンチ絵)
 http://www.pref.niigata.lg.jp/HTML_Article/848/223/03.150824bousai.pdf

>> 映像(NRA)31'33 https://www.youtube.com/watch?v=Zm2sJsEIBI0
>> 映像(Ourplanet-TV)6'41 https://www.youtube.com/watch?v=2Y6w2nkCjIE

----------

◆面談内容について、知事のメールマガジンに解説があります。

たがいに・にいがた第422号(2015年08月28日 発行)
http://chiji.pref.niigata.jp/2015/08/post-fd26.html

**********

◆「平成27年8月27日 泉田知事定例記者会見要旨」から抜粋
 田中原子力規制委員長との面談について
 http://chiji.pref.niigata.jp/2015/08/post-bd81.html#04

Q
 8月24日、泉田知事は全国知事会の危機管理・防災特別委員長という立場で、原子力規制委員会の田中俊一委員長と面会し、原発の重大事故時にSPEEDIを活用することなどを求めました。田中氏との面会は知事の以前からの強い要望であり、これが実現したことになりますが、面会での田中氏の対応などについて、あらためて所感を伺います。また、知事から田中氏に対して、全国知事会と規制委員会との協議の場の設置や、規制委員会の持つ関係省庁への勧告権の行使などを要望されました。そのときには前向きな回答はありませんでしたが、この点についての受け止めを伺います。

A 知 事
 面談が実現したことは一歩前進だと思います。当日の状況は(ネットメディアによる)インターネット中継もされており、報道各社によって報道された他に、(インターネット中継を)直接見られた方々も様々な感想を持っていると受け止めています。田中委員長に直接話をしたことで、田中委員長が認識していない事柄があるということを、実際に中継を見られた方はご理解いただけたと思います。特に原子力規制委員会や原子力規制庁には、地方行政、避難計画を作る現場のことをわかっている人がいないということで、どのような課題があるのかを田中委員長が直接認識されたと受け止めています。別の言葉で言うと、(こちらの要望に対して)答えられなかったということです。(田中委員長からは、)対応策についてどう考えるかということが示されず、自治体の方で判断していただきたいということなのですが、例えば労働安全衛生法(で定める基準)と屋内退避指示が矛盾する点についてどうするのかということは、やはり国レベルで考えていかなければいけないことです。今後、内閣府とも協議して、具体的な検討を進めていただけると期待したいと思います。
 (要望に対して)前向きな回答がなかった部分については、拒絶されたということでもなかったと受け止めています。問題の所在を把握して、ぜひこれから検討することにしていただきたいと思っています。きちんと行えるかどうかということが、結局は原子力安全・保安院から原子力規制委員会に改組した意味があったかどうかの試金石ではないかと思います。原子力安全・保安院は経済産業省の中の組織であり、霞ヶ関ルールがありますので、各省折衝しなければ何事も進まないと。閣議に上げる案件については、(各省の)事前了解が取れていないと途中で政府としての意思統一ができなくなるので、各省折衝がどうしても必要になります。政府から独立した存在ということが原子力規制委員会の大きな特徴ですので、(関係省庁に実施)してもらえるかは別として、必要と思うことについては(関係省庁に)勧告していただかないと、三条委員会にした意味がないと思います。規制委員会のミッション、任務の中に住民の安全を守る、原子力利用の安全確保ということが入っているわけですので、本来任務に基づく対応を求めていきたいと思います。


Q
 昨日行われた田中委員長の会見において、知事との面会の中で話があった地方との協議の場について、できるだけ前向きに捉えたいというような発言があったのですが、こちらについてはどのように考えていますか。

A 知 事
 この問題は今初めて言っているわけではなくて、事実上4年くらい前から言っているわけです。さらに言うと、全国知事会や、(立地道県で構成する)原子力発電関係団体協議会からの要望の中にも最初の頃から入っていましたが、事務当局から言っても聞いていただけなかったという経緯があるわけです。トップにその必要性や、何が矛盾していて計画が作れないのかということをきちんと理解していただく必要があるので、面会を求めてきたということです。今後、地方の意見を聞くために、必ず私と田中委員長が全ての事柄をやり取りする必要があるのかと言うとそうでもなくて、事務当局間で話合いを進めていく方法でも結構だと思います。節目節目で確認しようということでも無論よいのです。ただ、田中委員長が意思決定を行う途中のところでパイプが詰まっている可能性もあります。先日の面談でやり取りして感じたのは、そもそも指針が持っている意味を、今まで大学の先生であった田中委員長に行政が説明してないということがわかりましたので、(指針が)どのような意味を持っているのかをお伝えする必要が出てくる場面があるかもしれません。現場で何に困っているのかという実務の部分と、原則論でわかっていないところを明らかにする必要がある部分も、相互にやり取りしながら前に進めていくことでよいのではないかと私は思います。


Q
 SPEEDIに関しては全国知事会と田中委員長の考えに距離があるという印象を受けたのですが、今後あらためてどのように要望していく考えですか。

A 知 事
 田中委員長はSPEEDI(の使用)が混乱をもたらすという話をするのですが、なぜ混乱するのかという説明はありません。SPEEDIの情報は正確ではないと規制委員会が言っているのは、8時間前の天気予報に基づいてさらに先まで(予測すること)は難しいという話です。実はSPEEDIは15分くらいで(拡散予測を)計算できてしまうので、気象台が発表するものをオンラインで繋げてデータ更新していけば、正確(な予測)になります。実際、アメリカ軍も福島第一原発事故のときは予測システムを使っています。東京電力も、SPEEDIではないのですが、拡散予測システムを使った上でベントをどうするか判断しているわけです。専門家が使っているし、さらに英独仏の州政府も使えるという体制を組んでいます。実際に、福島第一原発事故のときは、気象庁から提供されたデータに基づいてドイツで出されたシミュレーションを見て避難を決められた方も大勢いました。世界各国と専門家が使っているものを住民だけが使えないという理屈を説明していただかないと、距離は埋まらないのではないかと思います。